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2017/07/26 up

個人事業主の節税手段の一つ! 配当控除とは?

text by 大江佑典

株取引の様子

個人事業主として事業を行っていると、関心ごとの一つとして挙がるのが節税ではないでしょうか。節税の基本は、課税所得を抑えるために正しい方法で必要経費を計上し、各種控除を活用することです。今回は、税額控除の一つである「配当控除」を活用した節税方法をお伝えします。

配当控除は税金を直接安くすることが可能

配当控除とは、株式などを持っている人が配当金を受け取ったときに適用される控除です。ほかの所得と一緒に確定申告をすることが必要ですが、扶養控除や医療費控除などの「所得控除」とは異なり、ある一定の方法で計算した金額を税金から直接差し引くことができる「税額控除」に該当します。

配当控除の計算の方法

配当控除の計算の方法は、配当控除を受けようとする年の課税所得の大きさと、受け取る配当金の種類が剰余金の配当なのか証券投資信託の収益の分配に係る配当なのかによって、大まかに以下の3パターンに分かれます。

(1)その年の課税所得が1,000万円以下の場合

配当控除の金額=剰余金の配当×10%+証券投資信託の収益の分配に係る配当×5%

(2)その年の課税所得が1,000万円を超え、その課税所得から証券投資信託の収益の分配に係る配当所得を引いたら1,000万円以下になる場合

配当控除の金額=剰余金の配当×10%+証券投資信託の収益の分配に係る配当×5%もしくは2.5%(※)
(※)配当金額が課税所得から1,000万円を引いた金額の範囲内なら2.5%、それを超えていれば、超えた部分は5%となっています。

(3)その年の課税所得が証券投資信託の収益の分配に係る配当所得を差し引いても1,000万円以上の場合

配当控除の金額=剰余金の配当×5%(※)+証券投資信託の収益の分配に係る配当×2.5%
(※)剰余金の配当金額が課税所得から1,000万円と証券投資信託の収益の分配に係る配当を差し引いた金額の範囲内なら5%、それを超えていれば、超えた部分は10%となっています。

配当所得の確定申告をすると損をする可能性がある?

配当所得は、確定申告時に以下の3つの方法で申告します。

  • 確定申告せずに、源泉徴収のみで終わらせる
  • 事業など、ほかの収入と一緒に確定申告して納税する(この場合のみ配当控除を受けることができる)
  • 株式の譲渡損と相殺して申告する

もともと配当金を受け取ったときに上場株式の配当金なら15%(住民税は5%上乗せ)、それ以外の配当なら20%の割合で税金が源泉徴収されています。

所得税のみで考察してみます。仮に、上場株式以外の配当金があり、源泉徴収により20%だった税率が事業などのほかの収入と合わせて確定申告をすることで10%になれば、払いすぎていた税金が相殺され得になります。逆に23%になってしまえば、20%で納めるのでは足りず、追加分が発生して損をしてしまいます。所得税率が10%から20%に変わるラインは収入から経費と所得控除を引いた課税所得が330万円で、20%から23%に変わるラインは695万円です。この額が確定申告をすることで得になるか損になるかの一つの目安になります。なお、実際は住民税も最大2.8%の税額控除を受けることが可能なため、より複雑になってきます。

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すでに配当金の収入がある人、今後配当金の収入を得ようと考えている人は、制度を正しく理解したうえで、自分は申告した方がいいのかそうでないのかを選ぶことが必要です。知らずに損をしている可能性もありますので、ご注意ください。

(大江佑典+ノオト)