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2017/07/20 up

知ってますか?税金の納付が猶予される「国税の猶予制度」について

text by 瀬戸口駿介

驚く女性

税金は、期日までに支払うのが国民の義務です。支払わずにいれば、延滞税がかかったり、財産を差し押さえられたりしかねません。万が一の場合に備えて、税金の納付が猶予される「国税の猶予制度」について解説します。

「国税の猶予制度」って何?

「国税の猶予制度」とは、一定の条件下で、納付額の決定している国税の支払いを猶予してもらえる制度です。国税の猶予制度には2種類あります。

 

(1)換価の猶予制度

換価の猶予制度とは、国の税金をまとめて納付すると、事業の継続や生活の維持が難しくなる可能性があると認められた場合に適応される制度です。申請した内容に基づき、下記のような猶予を受けられます。

  • すでに差押えを受けている財産の換価(売却)が猶予される
  • 差押えにより事業の継続または生活の維持が困難になるおそれがある財産については、差押えが猶予(又は差押えが解除)される場合がある
  • 換価の猶予が認められた期間中の延滞税の一部が免除される

(2)納税の猶予制度

納税の猶予制度とは、災害や病気、事業の休廃業などによって事業の継続や生活の維持が難しくなる可能性があると認められた場合、また本来、国税を支払うべき期限から1 年以上経ってから納税額が確定した場合などに、それをまとめて納付することができない理由があると認められれば適応される制度です。申請した内容に基づいて、下記のような猶予を受けられます。

  • 新たな差押えや換価(売却)などの滞納処分の執行を受けない
  • すでに差押えを受けている財産がある場合、税務署に申請することで、その差押えが解除されるケースがある
  • 納税の猶予が認められた期間中の延滞税のすべて、または一部が免除される

国税の猶予制度の猶予期間

国税の猶予を受けられる期間は、1年以内でもっとも早く国税を完納することができると認められる期間とされます。その期間は、申請者の財産や収支の状況に応じて判断されます。

猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付しなければなりません。なお、猶予期間内に完納できないやむを得ない理由があると認められる場合は、猶予期間の延長が認められる場合もあります。ただし、当初の猶予期間と合わせて最長2年とされています。

また、分割納付計画のとおりに納付していない場合、猶予を受けている国税以外に新たに納付すべきこととなった国税を滞納した場合などには、国税の猶予が取り消されます。

国税の猶予制度の申請方法

国税の猶予制度を利用するには、以下の書類を所轄の税務署に提出することが必要です。

  • 「換価の猶予申請書」または「納税の猶予申請書」
  • 資産およひ゛負債の状況、収入およひ゛支出の状況を明らかにする書類(財産収支報告書、財産目録、収支の明細書など)
  • 担保提供に関する書類
    ※ただし、猶予を受ける金額が100万円以内のとき、猶予を受ける期間が3カ月以内のときなどは必要ない
  • 災害なと゛の事実を証する書類(納税の猶予の場合)

どちらの猶予を申請するか、また猶予を受けたい国税の金額が100万円を超えるか否かなどにより提出書類は異なります。必要な書類のそろえ方と書き方は、「猶予の申請の手引き」にまとまっています。各種書類および「猶予の申請の手引き」は、国税庁のウェブサイトからダウンロードするほか、税務署の窓口でも入手できます。

国税の期日内の納付は国民の義務ですが、国民の生活までも脅かすものではありません。税金が払えないのであれば、ごまかしたりせずにその旨を申請し、まずは生活の立て直しをはかりましょう。

(瀬戸口駿介+ノオト)