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2016/12/07 up

配偶者控除と配偶者特別控除の違いは何?

text by 小野真也

配偶者控除の申請書

「配偶者控除」や「配偶者特別控除」は、所得控除の一つ。それぞれ、配偶者の収入が一定の金額を下回っている場合に受けられる控除です。配偶者控除や配偶者特別控除を受けるための要件とは? その節税効果とともに解説します。

配偶者控除とは?

配偶者控除とは、夫婦のうち収入の多い方が受けられる控除です。たとえば、夫に比べて妻の収入が低いとします。妻の収入がある一定の金額を下回っていると、夫は年末調整または確定申告で配偶者控除が受けられます。その要件は、下記の通りです。なお、専従者給与を受け取っている場合は、専従者控除と配偶者控除を二重で受けることはできません。

■配偶者控除を受けるための要件・民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)

・配偶者が納税者と生計を一にしている
夫婦で一つ屋根の下で生活している場合はもちろん、たとえ勤務の都合で別居していても、生活費の仕送りなどをしていれば、これに該当します。

・配偶者の所得が38万円以下である
「所得が38万円以下」は、勘違いを招きやすい項目です。「38万円」が上限なのは、あくまで「所得」。「収入」ではありません。所得とは給与所得を指し、「収入-給与所得控除」で求めます。

「パートをしている妻の年間収入が103万円を下回ったら、配偶者控除を受けられる」とよくいいます。これは、パート収入(給与収入)について適用される給与所得控除が最低でも65万円であるためです。「給与収入103万円-給与所得控除65万円=給与所得38万円」で、給与所得は38万円以下に収まります。

所得が38万円を超えてしまった場合は、配偶者特別控除の対象にならないかを確認しましょう。

・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告書の事業従事者でないこと

配偶者特別控除とは?

配偶者特別控除とは、夫婦のうち収入の多い方が受けられる控除です。夫より妻の方が収入が低い場合は、妻の収入がある一定の金額を下回っているときに、夫が年末調整または確定申告で配偶者特別控除が受けられます。その要件は、下記のとおりです。なお、専従者給与を受け取っている場合は、専従者控除と配偶者特別控除を二重で受けることはできません。

■配偶者特別控除を受けるための要件・控除を受ける人はその年の合計所得が1,000万円以下であること
・民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
・配偶者が納税者と生計を一にしている
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告書の事業従事者でないこと
・他の人の扶養親族となっていないこと
・配偶者の所得が38万円超から76万円未満である
先ほどのように収入で考えると、103万円超から141万円以下が配偶者特別控除の対象となります。

配偶者控除と配偶者特別控除の節税効果は?

配偶者控除、および配偶者特別控除は、どれぐらいの節税効果があるのでしょうか。それぞれの控除の額と、実際の節税額について見てみましょう。

■配偶者控除と配偶者特別控除の控除額・配偶者控除……38万円
・配偶者特別控除……3万円から38万円の間(所得に応じて変化)

■配偶者控除と配偶者特別控除の節税額の例所得税率5%(最低税率)、住民税率10%として、両方で税金がいくら安くなるかを計算してみます。
・配偶者特別控除
38万円(控除額)×(5%+10%)=5万7,000円
・配偶者特別控除 ※所得が60万円だった場合
16万円(控除額)×(5%+10%)=2万4,000円

「控除が受けられるのは収入が103万円まで」という通説を信用するあまり、収入が103万円を超えると諦めてしまうケースが多く見受けられます。配偶者控除が受けられなくても、配偶者特別控除の対象であれば控除は受けられます。心当たりがある場合は、ぜひ確認してみてくださいね。

(小野真也+ノオト)

この記事の筆者

小野真也

株式会社エフアンドエム。2004年入社。個人事業主向け会計サービスの営業職として配属され、その後中小企業向けサービス部門にてバックオフィスのコンサルティングを担当。現在は、会計サービスのオペレーション部門にてサービス向上に広く従事。

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