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2016/09/27 up

個人型確定拠出年金で節税!3つの税制優遇処置

text by 森満圭亮

年金手帳と電卓

2017年1月から加入可能範囲が拡大されたことでより注目を浴びている個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)。実は、非常に節税効果の高い年金制度だということをご存じですか? 個人型DCの基礎をおさらいしつつ、節税方法を詳しく解説します。

個人型確定拠出年金(DC)とは

個人型DCとは、「公的年金(国民年金や厚生年金など)だけでは将来が不安だ!」という人に対して、それらに上乗せて積み立てができるようにした年金制度の1つです。同様の年金制度には、国民年金基金があります。

個人型DCのもっとも大きな特徴は、拠出した資産の運用を自己の責任で行うこと。よって、その運用実績次第で、受け取る年金の金額が上下します。ただし、投資できる商品には定期預金などの元本の安全性が高い商品もあり、必ずしもハイリスクというわけではありません。金融機関を介して預貯金、保険商品、投資信託等を運用するため、各種手数料がかかります。

老後の資産形成を目的としているため税制優遇措置がある一方、原則的に60歳まで引き出すことができません。受け取り方には「老齢給付金」「障害給付金」「死亡一時金」の3種類があり、年金、または一時金として給付されます。

個人型確定拠出年金(DC)の3つの税制優遇処置

個人型DCには、3つの税制優遇があります。

(1)掛け金が全額所得控除の対象となる(掛け金は上限あり)
(2)運用時に得た収益は全額非課税
(3)受給時の受け取り方法が年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除を適用できる

掛け金、受給金ともに控除の対象となるため、個人事業主にとっては節税対策として知っておいて損はないでしょう。なお、掛け金の上限は状況によって変わります。

■個人型DCの掛け金の上限額(2017年1月から)(1)自営業など=年額81万6,000円
(2)企業年金に加入していない会社員=年額27万6,000円
(3)夫が会社員の専業主婦=年額27万6,000円
(4)企業年金に加入している会社員、公務員=年額24万円 or 年額14万4,000円(※企業年金の種類によって変化)

青色事業専従者給与と併用すれば節税効果大!

青色申告をしている事業主が専従者へ給与を支払うと、税務署へ届出をした範囲内であれば、その全額を経費として落とすことができます。そのため、専従者への給与を増やせば増やすほど節税効果があるかと考えがちですが、そう単純ではありません。事業主の課税所得が安くなる分、専従者の課税所得が高くなるからです。

しかし、専従者が個人型DCに入っている場合、状況は変わります。たとえば、専従者が個人型DCで毎月3万円の掛け金を拠出するとします。すると、事業主が専従者給与の額を年間36万円増やしても、その分がすべて所得控除されるため、専従者の課税所得額は変わらなくなります。この場合、単純に事業主の経費が36万円増えることになります。仮に事業主の課税所得が500万円とすると、所得税と住民税があわせて10万8,000円も安くなり、かつ専従者が個人型DCに拠出した掛け金は、60歳以降に年金として戻ってくるのです。

厚生年金などのない個人事業主にとって、備えも節税もできる個人DCは老後の頼もしい味方。特に節税効果の大きい夫婦経営の方には、検討の価値ありといえるでしょう。

(森満圭亮+ノオト)