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2016/08/02 up

年間件数は74万!国税庁発表データから見る税務調査の実態

text by 岸本良太

虫眼鏡をもつ男性

「税務調査なんて、テレビの向こうの世界の話でしょ?」「税務調査は売り上げが大きい人だけに入るもの。自分には関係ないよ」……こうした認識をお持ちの方は多いかもしれません。実際には、どれだけの税務調査が行われているのか、国税庁の発表データから見てみましょう。

税務調査の件数

国税庁のサイトでは、毎年、税務調査の実態に関するデータが公表されています。「平成26事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によると、2014年度の所得税に関する税務調査は74万件。所得税は個人の所得に課されるものですから、この調査のほとんどが個人事業主に対して行われたものです。個人事業主の数は211万人(総務省 統計局「平成26年経済センサス‐基礎調査」より)とされていますので、実に3人に1人の割合で調査が行われていることになります。つまり、単純に考えると、だれしも3年に1回は調査を受ける可能性があるともいえるのです。
マルナゲ_1606_33_年間74万件! 国税庁発表データから見る税務調査の実態_02

税務調査による追徴税額

では、税務調査によって、新たに徴収される税額(追徴税額)はどれくらいになるのでしょうか? 国税庁のサイトでは、2014年度の所得税の追徴税額は1,008億円と発表されています。これを調査件数の74万件で割ると、調査1件あたり平均13万6,000円の追徴が行われたことになります。

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さらに消費税に関する税務調査も

課税売上高が1,000万円を超える個人事業主は、所得税だけではなく、消費税の申告内容に関する税務調査を受ける可能性もあります。国税庁のサイトのデータによれば、2014年度の実績は、調査件数が8万6,000件、追徴税額は232億円。つまり、調査1件あたりの追徴税額は平均27万円となります。

消費税の税務調査は、所得税の税務調査と同時に受ける可能性が高く、その場合、調査1件あたりの追徴税額は40万円以上にも上ります。追徴税額という面から見ると、確かに売上高が大きいほど調査リスクが大きいといえそうです。

調査件数は年度によってバラつきがあるものの、総追徴税額は決まって1,000億円以上というラインが守られています。税務官には追徴税額に関するノルマが課されているという噂がありますが、この数字を見る限り、その信憑性は高そうです。

納税準備をしている個人事業主は多くても、税務調査での追徴金にまで備えている方はまれでしょう。しかし、件数から見れば、税務調査は決して他人事ではありません。金額としてそれほど大きくなくても、急な出費となります。確定申告の際は漏れがないよう、ご注意ください。

(岸本良太+ノオト)

※税務調査件数と追徴税額の推移は、いずれも国税庁が発表した各年度の「所得税及び消費税調査等の状況について」を参照。