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2017/07/07 up

【コワーキングスペース探訪記】“本の街”の中心「EDITORY神保町」は隅から隅まで本だらけだった

text by 斎藤充博

斉藤さんと横尾さん

こんにちは。ライターの斎藤充博です。今日は神保町駅から徒歩1分の所にある「EDITORY神保町」にやってきました。

神保町といえば本の街。周りには出版社や古書店がたくさんあります。EDITORY神保町は本をテーマにしたコワーキングスペースでした。

本棚からあふれるほどの本

横尾さんと斎藤さん

お伺いしてみると、大量の雑誌をまとめている女性がいました。

横尾さん横尾さん

すみません! 今ちょうど本棚を整理しているところでした……。よりによって取材の日になんでこんなに散らかしてしまったんだろう……。

斎藤さん斎藤

こちらこそすみません! そのままお構いなくお願いします。

 

この女性がEDITORY神保町のマネージャーを勤めている横尾さんです。

挨拶をする様子

改めて横尾さんにご挨拶。

斎藤さん斎藤

IT関係のコワーキングスペースはたくさん見てきたのですが、本をテーマにしたコワーキングスペースって初めて見ました。

横尾さん横尾さん

神保町という街の特色が強いので、それを生かした方がいいのかなって思っています。

 

そう……ここEDITORY神保町は本だらけのコワーキングスペースなのです。

本を見せる横尾さん

一日見ていても飽きそうにない本棚。会員さんたちには出版関係の方が多く、制作に携わった本を置いていってくれるそう。

おすすめの本

本屋さんみたいに会員さんおすすめの本が、ポップ付きで展示されています。それにしても『星の王子さま』や『人間失格』のような定番の純文学をあえてプッシュしてくるのがすごい。本好きの方がいるんだな、という気配が濃厚にしてきます。

文学全集
奥の棚には文学全集が。神保町の古書店の延長のようですね。

2階の受付とイベントスペース

EDITRY神保町はビルの2~4階に入っています。2階は受付とイベントスペース、3階はシェアオフィス、4階はコワーキングスペースです。

僕たちが今いるのは2階のイベントスペース。ここでは、街づくりに関するイベントや本に関するイベント、ほかの団体が主催するイベントなど、さまざまなイベントが行われています。夏休み期間や年末年始、歓送迎会シーズンなどは、ほぼ毎日のように何かが行われているのだとか!

インテリアも本だらけ

エレベーター内

エレベーターで4階のコワーキングスペースに行ってみましょう。エレベーターの中には開いた本が鳥みたいに空を飛んでいるシールが貼ってありました。

斎藤さん斎藤

エレベーターの中にシールなんて貼ってしまって良いんですか? 大家さんに怒られないんですか?

横尾さん横尾さん

実はうちは本業が不動産の会社で、このEDITORY神保町が入っているビルも自社物件なんです。内装は自由にできますね。

斎藤さん斎藤

それはすごい! 大家さんだったんですね。なるほど、だから内装がこんなにおしゃれなのか……。

4階のコワーキングスペース
4階のコワーキングスペースはオフィスというよりも、友達のうちに遊びに来たようにリラックスできる空間になっています。

斎藤さん斎藤

この中でおすすめの場所はありますか?

横尾さん横尾さん

私が気に入っているのは、オレンジのソファーですね。お家のリビングにあるような色味を意識しています。

ソファに座る斎藤さん

斎藤さん斎藤

確かに落ち着く……。疲れたときにちょっと横にもなれていいですよね。

横尾さん横尾さん

横になっている人はたくさんいますね(笑)。

人気の窓際の席

横尾さん横尾さん

利用者さまから人気なのは、窓際の席ですね。

斎藤さん斎藤

窓が広くて開放感ありますね……。超素敵な文章が書けそう。……あれ? ライトのカバーが雑誌になっていますか?これは本物?

横尾さん横尾さん

本物の雑誌です。熱くならないライトなので、大丈夫なんですよ。

 

斎藤さん斎藤

こういう発想、自分の中に全然ないので感心しちゃいますね。おしゃれ……。

電源プラグ

斎藤さん斎藤

電源プラグも変わっていますね。

横尾さん横尾さん

ここも見てほしいところですね(笑)。本に見せかけたプラグです。

斎藤さん斎藤

なんかインテリア雑誌を見ているみたいだ。

会議室の入り口

とにかく、そこら中が本だらけ。ここは会議室につながるドアなんですが、そこにも本物の本を使っています。

会議の心理学

使われているのは『会議の心理学』(石川弘義/ちくま文庫)。確かに会議室とすぐわかる。

トイレのドア

トイレのドアにも本が使われています。男子トイレのドアに設置されているのは『男の作法』(池波正太郎/新潮文庫)。ちなみに、女子トイレのドアには『朝の少女』(マイケルドリス/新潮文庫)が設置されています。

シェアオフィス
4階から降りて、次は3階のシェアオフィスへ。セパレートで区切られているんですが、それが小屋のような形をしています。

斎藤さん斎藤

すごい。ビルの中に小屋がある!

横尾さん横尾さん

以前は家ではなくて、モンゴルのゲルがあったんですよ。ゲルは借り物だったので返してしまったんですが、そこから発想を得て小屋にしています。

 

普通のテナントにするより、若い人に使ってほしかった

横尾さん

横尾さんにお話を聞いてみました。

 

斎藤さん斎藤

どうして神保町でコワーキングスペースを始められたんでしょうか。

横尾さん横尾さん

このビルは弊社の自社物件で、出版社さんが一棟丸ごと入っていました。その出版社さんが抜けられるときに社長が「次は普通にテナントとして貸すよりも、若い人が何かできる場があったらいいよね」と言い出したんですよ。その時に「コワーキングスペースというのがあるらしいから、ちょっとそれやってみようか」ということになりました。

斎藤さん斎藤

コワーキングスペースとしては比較的オープンが早いほうですよね。

横尾さん横尾さん

オープンしたのが2013年ですね。当初はツクルバさん(シェアード・ワークプレイス「co-ba」の運営会社)と一緒に立ち上げました。1年経って運営が軌道に乗り出したところで、弊社にバトンタッチしています。私がEDITORY神保町のマネジメントをするようになったのもちょうどそのタイミングです。

横尾さん

神保町は紙の編集者さんが多い街

斎藤さん斎藤

利用者層は、やっぱり編集者さんや出版関係の方が多いんでしょうか。

横尾さん横尾さん

そうですね。編集者さんが一番多いです。そして、ウェブの編集者さんよりも、紙の媒体で活躍されている方が多いのが特徴だと思います。うちは机を広くしてあるんですよ。雑誌の編集だと、机に実際の紙を広げて構成を考えることもありますから。

斎藤さん斎藤

なるほど。やっぱり神保町という土地がありますね。

 

横尾さん横尾さん

最初、私は神保町という街を全然知らなくて、こんなおもしろい街だって思っていませんでした。集まってくる人の個性が強い気がします。また、神保町には町会もありますし、商工会もあります。狭い中での近所づきあいを大切にしている街ですね。

斎藤さん斎藤

そういうのって、外から見ると全然わからないですね。

横尾さん横尾さん

そうそう、神田ルールっていうのがあるんですよ。たとえば、会の締めは「神田一本締め」をするとか。そんな人と人の輪の中にも、ここに来れば入りやすいと思います。

横尾さん

 

コワーキングスペースなのか、イベント屋さんなのか(笑)

斎藤さん斎藤

イベントスペースも広いですよね。どんなイベントをしているんでしょうか。

横尾さん横尾さん

サブカルっぽいイベントが多いかもしれませんね。自社開催ではないのですが、ちょうど昨日開催したのが、「空想都市に珍スポットを作ろう」というイベントです。架空の都市の地図の中に、地図にも載らないような珍スポットをみんなで考える、という内容です。

 

今和泉隆行さんという方が、ずっと前から架空の都市の詳細な地図を作る活動をして、本も出しているんです(みんなの空想地図/白水社)。その方と別視点ガイドというサイトを運営している松沢茂信さんとじじ神保町というフリーペーパーがコラボして、今まで聞いたこともないようなイベントができました。

斎藤さん斎藤

サブカルにサブカルが掛け算されているのがすごい……。面白そう。

 

横尾さん横尾さん

「空想都市」はEDITORY神保町スタッフ個人が主催したイベントなのですが、自社開催のイベントも月に2つ行っています。イベントは本当に頻繁にやっていますね。

斎藤さん斎藤

それは横尾さんが仕切っているわけですよね。大変そう。

横尾さん横尾さん

もうコワーキングスペースなのか、イベント屋さんなのか、自分でもわからない(笑)。でも楽しいのでそれもいいですね。

斎藤さん斎藤

今後の展望があったらぜひ教えてください。

横尾さん横尾さん

実は、EDITORY神保町のシェアオフィスはほぼ満室で。入っている方々が事業をもっともっと大きくして、卒業してもらって、良い循環ができればなあって思っています。出て行け、と言う意味じゃないですよ(笑)。その時には、弊社は不動産の会社なので、一緒にオフィスを探すお手伝いをしたいんです。

 

それから実は浅草橋にもコワーキングスペースを作りました。EDITORY浅草橋というのですが、こちらもたくさんの人が来てもらえるようになって、いろいろな人達のハブになれたらいいな、って思っています。 

まとめ

今まで訪問してきたコワーキングスペースの中で一番おしゃれでした! 神保町にこんな場所があったなんて、びっくりしています。コワーキングスペースも窓が大きくて開放的な雰囲気の中で仕事ができそうです。

それにしても本って本棚でも意外と主張してくるものですね。僕の好きな推理小説ばかり置いてある棚があって、「この棚を使っている人はどんな人なんだろう?」って気になっちゃいました。

(斎藤充博+ノオト)

取材協力

EDITORY神保町 ロゴ

EDITORY神保町

住所:東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル
TEL:03-3263-0202
料金:ドロップイン 4F=1日2,000円、2F=3時間500円、1日1,000円
営業時間:平日=10時~19時(4F)、10時~17時(2F)
定休日:土日祝日
http://www.editory.jp/

この記事の筆者

斎藤充博

斎藤充博

1982年栃木県生まれ。元大手ノンバンクの営業職。ライターとして体験取材記事を中心に多数制作している。
Twitter ID:@3216

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