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2017/01/20 up

パーソナルトレーナーがアイドルグループ「マッチョ29」に参加! その理由とは

text by 寺西ジャジューカ

植田さん

撮影/林和也

六本木という一等地に場所を構えるパーソナルトレーニングジム「CLOVER」で代表を務める植田知成さん。彼は本業の傍ら、筋肉で日本を笑顔にするアイドルグループ「マッチョ29」のメンバーとしても活躍しています。

肩書だけ見ると生粋のマッチョマンかと思ってしまいそうですが、ご本人は「思考がマッチョじゃない」「マッチョと言われると違和感がある」と口にします。そんな彼がなぜトレーナーになり、しかも筋肉系エンターテイメント集団に所属しているのか? その理由を探るべく、植田さんの歩んできた道のりを聞いてきました。

競馬界→営業職→パーソナルトレーナー 35歳まで職を転々としていた

――トレーナーになる前は、どんな職に就いていらっしゃったんですか?

ずっと競馬界にいました。馬の世話をする厩務員(きゅうむいん)という仕事で茨城県や北海道などいろんな牧場を回り、最終的には大井競馬場に流れ着きました。そして28歳の時に結婚したのですが、厩務員でこのままやっていくのは不安でした。体力仕事というのもありますし、怪我も多い職種です。40歳までこの仕事をしている自分もイメージできませんでした。それで「どうしようか?」と考えてたら、そのタイミングでクビになりました。今から考えるといいタイミングですね(苦笑)。それで、次は営業職に転身しました。

――営業職を選んだ理由は?

28歳だったので、「営業力を身に付けなきゃ」という漠然とした思いがあったんです。“営業会社=リクルート”というイメージを持っていたので、30歳でリクルートに入社しました。ただ、リクルートは自由な社風ですごく合っていたんですが、契約期間が切れて4年ちょっとで退社することになりました。

――リクルートで、営業力は鍛えられましたか?

鍛えられましたね! 僕の中の基礎は、リクルートで作られたと思っています。その後、他の人材会社に入ったんですが、閉鎖的で社風が全然合いませんでした。ついには軽くノイローゼ状態になったので、「さすがにキツい」と嫁に言って。もう、その頃には35歳になっていました。その歳で転職といっても、なかなか厳しい。でも、自分の中で「もう人材会社はイヤだ」という思いもあった。そこで、ずっと秘めていた「パーソナルトレーナーになりたい」という思いを妻に告げたんです。

植田さん

撮影/林和也

リクルートで培ったスキルで、妻を説得する

――妻の理恵さんはどんな反応でしたか?

当然、「なんで、そんな異業種!? 今まで、一言も言ったことないじゃん」って。たしかにそうなんですけど、自分は23~28歳くらいまでボクシングをやってて、付いてくれたトレーナーがすごくカッコ良く見えたんです。でもボクシングトレーナーって、実は収入的に厳しい。自分は結婚もしていたので、ボクシングトレーナーではなく人を育てる「トレーナー」をやってみたいという発想になりました。そこでいろんな種類のトレーナーを調べて、「パーソナルトレーナー」を発見したんです。資格取得も、それほど難しくなさそうでした。

――植田さんの転職を納得してくれましたか?

いいえ! だから学校に通う前、妻に「パーソナルトレーナーはこんな職業です」とプレゼンしたんです。この辺は、リクルート時代に培ったスキルです。業界のことを全部調べ、資料も作り、マイルストーンも作って「2年以内にこうする」「3年後にこうなってなかったら俺は撤退する」って。

――植田さんはその頃から今みたいなムキムキ体型だったんでしょうか?

いえ、スギちゃんみたいな体型でしたよ。あの頃は、毎晩ラーメンを食べてましたし(笑)。

ぽっちゃり時代の植田さん

写真/本人提供

――ということは、トレーナーを目指してから肉体改造を始めたんですか?

はい。資格をとるために仕事をしながら半年くらい学校に通ったんですが、学校内の自由に使えるジムを利用して徐々にパーソナルトレーナーっぽくなりました。そして、無事に資格を取得し、ライザップへ入りました。ライザップを選んだのは、リクルート在籍時代にリクナビで見つけたからです。その広告には「富裕層向け」と書かれてて、「お客さんと仲良くなって、将来独立する時にうちに来てもらえるとうれしいな」なんて軽い考えも自分にはありました(笑)。ライザップに入る前から独立は考えていたんです。結果的にライザップには2年在籍しましたが、後半は社内で頼られる存在になっていました。そして独立し、2014年9月1日にCLOVERをオープンしました。

六本木に店を構えた理由

――六本木というエリアに出店するのは大胆な決断だと思うのですが、なぜこの場所を選んだのでしょうか?

第一に、ライザップ時代は六本木店に勤めていたというのが大きいですね。お客さまとつながっていますし、六本木のお客さまは意外と金額を気にしない方がいたりします。この地域は創業して5~10年くらいのIT企業の社長さんとか、30代の方が多いですね。ヒルズ族と呼ばれる方もいらっしゃいます。

――CLOVERの開業資金はどれくらいでしたか?

意外に少なくて、全部で500万円くらいでした。借りたマンションの内装はいじってないですから。普通のジムにありがちなのは鏡張りの内装ですが、鏡って1枚貼るだけで4~5万円するので全部で30万円ほどかかってしまいます。そんなに内装にお金をかけるなら、ほかに費やした方がいいと僕は思っています。あと器具に関していえば、このラック1つと、別のトレーニングルームに設置したラックの計2つがあります。ここのラックが60万円弱くらい、向こうのルームにあるのは90万円強です。あとは不動産取得費と、タオルやウエアといった雑費が初期費用に入ります。

――独立される際、会計などお金回りの知識はもともと持っていらっしゃいましたか?

知識はなかったです。もちろん、独立するにあたって「やさしい会計」とかは読んでみたんですけど、途中で「わからない!」って諦めて(苦笑)。今は、嫁が税務署へ行ってちょこちょこ教えてもらいながらやってますね。嫁が手伝ってくれなきゃ、本当にキツかったと思います。

植田さんと妻の理恵さん

写真/本人提供

――CLOVERのスタッフには、植田さんがいてサブにパートナーの理恵さんがいらっしゃいます。パーソナルという形ですから2人で回していけるとは思うんですが、スタッフを増やす予定はございますか?

スタッフは増やしたいですね! まだ増員に踏み切っていないのは、人件費の問題です。一人雇うとしたら、基本給が15~18万円くらいで、それにプラスしてセッション給が発生する形になると思います。

業界での認知度を上げるため、アイドルグループへ加入!

――素人考えですが、複数のスタッフが多くのお客さんを担当した方が金銭的には効率がいいような気がします。でも現在、CLOVERはマンツーマンで必ず植田さんの指導を受けられるという形ですよね? 一人のお客さんにガッツリ付き合うシステムには、植田さんのポリシーが込められているのでしょうか?

たぶん、広めのジムに器具を数台置き、トレーナーが1人いて、あとはお客さんが自由にやるシステムの方が効率はいいと思います。でも、ウエイトトレーニングの楽しさを知ってもらいたいという思いが、僕の中にはあるんです。ベンチプレスをやるにしてもスクワットをやるにしても、フォームを獲得するまでは時間がかかります。見よう見まねでトレーニングを行い、怪我をして「もう、やりたくない」と思われてしまったら、すごく悲しい。それよりもパーソナルトレーナーをちゃんと付けて、適切なフォームを獲得して、楽しさをきちんと理解してもらいたいなと思います。

――率直に言って、CLOVERはかなり強気な料金設定をされていると思います。これには、何か意図が込められているんでしょうか?

パーソナルトレーナーの給料って、めっちゃ安いんですね。睡眠時間を削って週60時間もの肉体労働をしても、ようやく月60万円ほどしか行きません。パーソナルトレーナーという職種にお金を稼いでいるイメージはないですよね? だから、人気職種になりにくい。自分は、「パーソナルトレーナーって夢のある仕事だよね」と少しでも思ってもらいたいです。技術を対価にするのは難しいですが「この料金に値する知識はちゃんと伝えているはずだ」と、自分では思っています。今くらいの金額はしっかりとキープし、人を雇えるようになったらトレーナーにそれなりの還元はしてあげたいと思っています。

マッチョ29

写真/本人提供

――業界のことも考えつつ、ご自身の感覚に則った正当な対価としての価格設定ですね。

ただ、今はすごい数のジムが生まれ、業界的にはドンドン安くなってる流れです(苦笑)。多数のパーソナルトレーニングジムがお客さんの取り合いをしている状況なので、目立ったもん勝ちというか、とにかく認知度が重要になってきます。

――業界の中で目立つために、どんなことを行いましたか?

少しでもジムの認知度が上がってくれればいいと、アイドルグループの「マッチョ29」に参加しました。

――マッチョ29への参加は売上に反映されましたか?

このジムは2~3ヶ月の長期間をコースにしていて、お金を20~30万円払ってもらうという形が基本です。でもマッチョ29のファンは若い人たちばかりですから、層が違うんです。ただ、「単トレ」という単発1回のトレーニング(50分で1万~1万5,000円)を受けられるコースもありますんで、そちらにはマッチョ29のファンに来ていただいています。

展望を語る植田さん

撮影/林和也

仲間を、マッチョで生活できるようにしてやりたい

――CLOVERとして、どのような理想をお持ちですか?

理想は高く、都内に5店舗くらいは立ち上げたいですね! まず2店舗目は、4月1日にオープンできればベストです。また、新店舗を出す辺りのタイミングに法人化したいなと考えています。

――今後の展望があれば、教えてください。

マッチョ29のメンバーをスタッフとして雇いたいという思いがあります。せっかく「マッチョ29」として集まってるものの、彼らはマッチョを活かして食えてはいないですからね。だから、なんとかしてやりたいなと思っています!

(寺西ジャジューカ+ノオト)

取材協力

植田さん

植田知成さん

六本木CLOVER代表&筋肉エンタメ集団「マッチョ29」メンバー。数々のコンテストで優勝した実績と知識に裏付けられた指導を行っている。妻と子供もコンテスト選手というコンテスト一家。
▼CLOVER
http://clover-gym.com/
▼Twitter
https://twitter.com/clover_gym?lang=ja
▼LINE
https://line.me/R/ti/p/%40hxw6412m

この記事の筆者

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寺西ジャジューカ

1978年、東京都生まれ。2008年よりフリーライターとして活動中。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、イベント系。ブライアン・ジョーンズとビートたけしと前田日明と大江慎也が好き。
▼Facebook
https://www.facebook.com/307864939284137/

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