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2017/05/30 up

収入を計上する正しいタイミングは、“支払いを受けた日”だけではない?

text by 堀修爾

疑問を持つ女性

事業続けている中で、どのタイミングで収入を計上したらいいか、迷ったことはありませんか?たとえば、商品を販売した際、現金のみの取引、商品を引き渡すときとお客さまから支払を受けるとき(お金が手元に入るとき)が一緒であれば、お客さまから支払いを受けたタイミングで問題ありません。でも、クレジットカード決済のように、商品を引渡すときとお金が手元に入るときが違う場合は……? 

そこで今回は、税務上のルールに沿って、正しく収入を計上するタイミングを、事例を交えて説明します。

棚卸資産の販売収入の場合

仕入れた商品や自分で作った製品(棚卸資産)を販売する事業を行っている場合は、商品や製品を引き渡した日が収入を計上するタイミングです。

冒頭でもお伝えしたように、現金のみの取引しかしていない場合は、商品を引き渡した日とお客さまから支払を受ける日は同じ日ですので、理解しやすいと思います。

一方、クレジットカード決済の場合や掛売りしている場合などは商品を引き渡した日とお金が手元に入る日が異なります。しかし、この場合も棚卸資産の販売収入のルールに基づき、収入に計上するタイミングは、商品を引き渡した日です。お金が手元に入る日ではないので注意しましょう。

ところで、商品や製品を引き渡した日がいつになるのかについても、注意が必要です。一言で“引き渡した日”といっても、「商品を出荷した日」や「お客さまが検収した日」だけに限らず「お客さまが受けとった商品を使用できるようになった日」や「検品などによって販売数量を確認した日」など、さまざまな状況が考えられます。

“いつ”を引き渡した日にするかは、事業主がその商品や製品の種類や販売契約の内容に応じて、一番合理的な日を決めます。そして取り決めた引渡し日で継続的に収入の計上を行います。

請負による収入の場合

一人親方などの建設業や、請負で事業を行っている場合は、請負の目的物をお客さまに引き渡した日、または、その請け負った業務の内容がすべて完了した日が収入を計上するタイミングです。

ただし、必ずしもこの方法で計算しないといけないわけではありません。請け負った業務が長期的なものであり、請負契約を結んだ際に業務の進行状況ごとに代金を支払う、といったような特約を結んでいる場合は、その代金の引き渡しがあった日に収入を計上できます。

また、“お客さまに引き渡した日”とは、具体的には「請負の作業を完了した日」「お客さまの受入場所へ搬入した日」「お客さまが検収を完了した日」「お客さまのもとで使用可能になった日」などがあります。この中で請負業務の種類や契約内容によって、一番合理的な日を引き渡し日と取り決める必要があります。

計上漏れにご注意を

中には、お金が入ってきていないのに収入として計上をすることに違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、このルールに則らないと、売り上げの計上漏れが発生することも……。たとえば、次のようなケースがあります。

<例>
2016年12月20日にA商品をお客さまに掛売りした。そして掛代金は2017年1月20日に回収した。

この場合、お金が実際に手元に入ってくるのは2017年1月20日です。お金が入ったときに収入と計上すると、2017年の収入になってしまいます。ですが、税務上のルールでは商品の引渡しがあった日が収入となる日です。

つまり、この例では2016年12月20日に収入に計上します。もし2017年の収入として計算すると、2016年は収入の計上漏れとなってしまいます。

年が異なると確定申告上での収入が変わってくるため、税金の計算も変わってしまいます。そうなると、正しい申告ができないため、修正申告をすることになり、場合によっては余分に税金を払うことにもなりかねません。

ちなみに、税務調査が入った際には、「収入の計上のタイミング」とそれにともなう「計上漏れがないか」は必ず確認される項目の1つです。正しい知識を身に付け、正しいルールのもとで収入の計上を行うようにしましょう。

(堀修爾+ノオト)

この記事の筆者

堀修爾プロフィール

堀修爾

株式会社エフアンドエム。2015年入社。生命保険会社営業職員をはじめとする個人事業主向けの会計サービス「カルク」を提供。現在は名古屋営業部のチームマネージャーを担当。日商簿記1級の取得者

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