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2017/05/22 up

知ってる!?個人事業主の源泉徴収票・支払調書などの「法定調書」の提出義務

text by 森満圭亮

源泉徴収票

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個人事業主でも、「源泉徴収票」や「支払調書」などの法定調書を発行することがあります。これらは税務署へも提出の義務があることをご存じでしょうか。提出義務が生じる条件や、提出期限、提出方法などについて解説します。

法定調書とは?

法定調書とは、所得税法などの規定により、税務署への提出が義務づけられている資料を指します。法定調書と呼ばれるものは、2017年4月時点で59種類あります。

なかでもよく知られているのが、給与所得者へ発行される「給与所得の源泉徴収票」と、外交員や集金人、税理士などに支払ったときに発行する「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。

法定調書は、従業員などに対して発行するだけでなく、税務署へも提出しなければなりません。ここでは、法定調書の代表例である源泉徴収票と支払調書について説明します。

法定調書の提出義務が生じる条件

まず、源泉徴収票と支払調書は、それぞれどんな条件下で提出義務が生じるのでしょうか。

1. 源泉徴収票

「給与所得の源泉徴収票」を提出するのは、俸給、給料、賃金、歳費、賞与、その他これらの性質を有する給与の支払いをしている場合です。提出義務が生じる基準は、年末調整をしているか否かで異なります。

■年末調整をしている場合
(1)法人の役員……給与等の支払金額が150万円を超えるもの
(2)弁護士、司法書士、税理士等……給与等の支払金額が250万円を超えるもの
(3)上記(1)(2)以外……給与等の支払金額が500万円を超えるもの

■年末調整をしていない場合
(1)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した場合
・その年中に退職した者など……給与等の支払金額が250万円(法人の役員は50万円)を超えるもの
・給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかったもの
(2)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった場合
・給与等の支払金額が50万円を超えるもの

2. 支払調書

下記の条件に当てはまる場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出が義務付けられています。

(1)外交員、集金人等……支払金額の合計額が50万円を超えるもの
(2)馬主に支払う競馬の賞金……1回の支払賞金額が75万円を超えるもの
(3)プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金……支払金額の合計額が5万円を超えるもの
(4)弁護士や税理士等に対する報酬等……支払金額の合計額が5万円を超えるもの
(5)社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬……支払金額の合計額が50万円を超えるもの

法定調書の提出期限と提出先、提出方法

法定調書の提出期限は、支払いの確定した日が属する年の翌年1月31日までです。たとえば、支払いの確定日が2017年12月1日だとすると、支払い期限は2018年の1月31日です。

提出先は、管轄の税務署です。なお、源泉徴収票は給与等の受給者へも発行しなければいけませんが、支払調書は税務署にのみ提出すればいいことになっています。

法定調書を税務署へ提出する際は、「法定調書合計表」というものを添付します。これは提出する法定調書をまとめたもので、支払った給与や報酬の合計額などを記入します。

法定調書と給与支払報告書

「法定調書の提出」と間違いやすい事務手続きが、「給与支払報告書の提出」です。どちらも事業主が誰にどれくらい報酬などを支払ったのか報告する書類ですが、提出先が異なります。法定調書は管轄の税務署、一方の給与支払報告書は居住する市区町村へ提出します。給与支払報告書の内容に基づいて、市区町村民税が課税されるからです。

なお、提出期限は法定調書と同じで支払いの確定した日が属する年の翌年1月31日までです。法定調書と違い、給与支払報告書は、原則、従業員全員分の提出が義務付けられています。

源泉徴収票や支払調書などの法定調書の提出は、従業員や発注先の納税を裏付ける大切な手続きですので、漏れなく正確に発行、提出しましょう。

(森満圭亮+ノオト)